レーザー製品について

レーザーは製造業現場のみならず、医療・美容分野など
日常生活のさまざまなところで広範囲にわたり利用
されています。
なじみのあるレーザーですが、使用するレーザーによっては危険を伴い、時に人体に有害となる場合があります。
そこで、レーザーを取り扱う作業者・管理者はその特徴を知り、レーザー光の危険から身を護る必要があります。

レーザーとは ―なぜ危険?その特徴と危険性―

レーザーは自然界に存在しない人工的に作られた特殊な光。自然光や電球などの一般光源、溶接光とは全く性質が異なります。

特徴①指向性

  • 一般的な光源

    光はあらゆる方向に拡散します。そのため、目に入射する絶対量が少ないのが特徴です。

  • レーザー光

    光は拡がらず、一定の方向に規則正しく遠くまで進みます。これを指向性といいます。レーザーのパワーが弱くても、かかるエネルギ―が大きくなります。

特徴②単色性

  • 一般的な光源

    複数の光(波長)が混じりあった多色光源。目に入った場合でも各波長の水晶体での屈折率が異なるので、焦点は一か所では結ばれません。

  • レーザー光

    単色光源。単一波長のためエネルギー密度が高いです。レーザー光が眼に入ると水晶体で集光され、網膜の一点に
    高密度の光のパワーが届くため、非常に危険です。

波長による眼への影響

レーザーには眼に見える可視光レーザーと眼に見えない不可視光レーザーがあります。
レーザーの波長、時間、強度によって障害の部位、程度が異なります。
低出力でも眼に与える影響は大きく、網膜が予想以上のダメージをうけたり、視力低下、最悪の場合、失明といった永続的視力障害に陥る可能性があります。
眼だけでなく皮膚にも損傷を与える危険性があります。またレーザー機器使用中の粉じん吸い込みによる呼吸器障害、感電、ガス中毒にも注意が必要です。

レーザー安全対策の基本的な考え方

眼や皮膚へレーザーばく露しない(させない)方法を考えることが一番大切です。

まずは(その1)レーザーを外部に出さないよう、環境を整え安全対策を講じる必要があります。
その上で(その2)レーザー光を直接見ない方法を考案し、レーザー光からの直接のばく露量をなくす。レーザーウィンドウからの目視確認、カメラなどの遠隔操作で代用確認などが可能か方法を考えましょう。
最終的に、(その3)作業上、レーザー光の使用環境下において、直接加工状況や仕上がりなどの確認が必要な場合は必ず用途に適した保護具を着用しましょう。

レーザー光から護る安全対策

レーザー保護具はご使用になられるレーザー機器の波長、出力、発振方式に対応した保護具でなければいけません。
保護フィルタ(めがねやウィンドウ、カーテン等)を使用することで、入射するレーザー光を安全なレベルまで減衰します。

                                                  

▶光学濃度(O D 値/ O pt i c a l D e n s i t y )とは

レーザーの照射を受けても眼に有害なレベルの光が透過しない光学濃度のことを必要光学濃度といいます。保護具のフィルタを通して入るレーザー光の吸収・減衰度合をわかりやすく数値で表したものがOD値です。O D値が大きくなるほど、レーザー光がフィルタでブロックされるため、保護性能が高くなります。

光学濃度(OD) 透過率 減衰率
0 100% 0
1 10% 1/10
2 1% 1/100
3 0.1% 1/1000
4 0.01% 1/10000
10 0.00000001% 1/10000000000



▶M P E - 最大許容露光量とは

レーザーを浴びても障害の危険が少ない安全な光量のこと。
MPEは人体(目または皮膚)への照射による障害発生率が50%となるレベルの10分の1と定められてます。

                                                  

必ずご使用のレーザー機器に表示されているクラスを確認し、そのクラスに求められている必要な措置内容(表2)に基づき、対策を行いましょう。


クラス3 R(180 - 400nm ,700nm -1mm)、クラス3 B、クラス4の
レーザー機器を使用しているすべての危険区域ではレーザー保護めがねの着用が必要です。



                                                  

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